誰でも無料で3Dモデリングがはじめられるソフト、それが「Blender」です。
3DCGでキャラクターや物を作って、写真やアニメーションを撮りたいと思ったらBlenderからはじめるといいでしょう。
なんせ無料ではじめられるので、初心者にはありがたいかぎり。
ですが、Blenderは直感的にいじれるほど簡単なソフトではありません。
基本操作をおぼえるには、入門書や初心者用のチュートリアルをこなす必要がでてきます。
たくさんの書籍が出版されていてどれから始めればいいかわからない。
そこで目に留まるのが「入門講座」と書かれた書籍である『今日からはじめる Blender 3入門講座』だったりするのではないでしょうか。
結論から言うと、3Dモデリング超初心者の状態でこの本から学ぼうとするのはおすすめできません。無謀です。
この本をおすすめできる相手は、ある程度Blenderの操作方法を把握していろいろ作ったけれど、Blenderからいったん離れてしまった人。
そんな人がBlenderの操作方法を思い出すのには最適な本だと言えます。
一度もBlenderやほかの3DCGソフトを触ったことが無い人が、この本からはじめると必ずつまづきます。
『今日からはじめる Blender 3入門講座』が初心者にはおすすめできない理由を本の感想を交えつつお伝えしたい。
Blender初心者への注意点
- テキストがwindows版に対応しているのかMac版に対応しているのか確認する。
- Blenderのバージョンをテキストにあわせる。
Blenderはバージョンによって操作方法が大きく変わっている場合があるので注意してください。
特に4.X対応と書かれたテキストはBlender4.0対応だと思ってください。Blender4.2以降とはボタン配置などが異なるので操作方法でつまづく原因になります。
『今日からはじめる Blender 3入門講座』の感想

まず初心者向けの本で注意しなければならない点で、WindowsとMacでショートカットキーや操作方法の違いに触れていないものがあるということを知っておいてください。
Blenderはショートカットキーを多用するソフトです。形を整えるため頂点を移動させたり、延長したり、分割したりの操作をショートカットキーで手早くすませます。
なのでBlender初心者がまずつまずく点がWindowsとMacのショートカットキーの違いです。
初心者用をうたっているテキストでもこの点に一切触れていない不親切なテキストがたくさんあります。
『今日からはじめる Blender 3入門講座』もその一つで、この本はWindows版のショートカットキーしか言及していません。windows版専用のテキストという記述もありません。
Macを使っている人がBlenderのテキストを選ぶ際はショートカットキーの違いを言及しているものかどうかチェックしてから購入することをおすすめします。
『今日からはじめる Blender 3入門講座』は入門講座とタイトルについていますが、初心者には内容的に難しいと言わざるを得ない。
この著者は初心者がつまづくであろう部分を理解しておらず、操作の解説が「分かっている人ならわかる説明」で終わっています。
「本に書かれたとおりにやったのに同じにならなかった、どうすれば解決するのか?」という部分にはなにも言及されていません。初心者がこの本のとおりにやった場合、何度もネットで調べるはめになるでしょう。
ある程度操作方法を知っている場合は、解説どおりにやったけど同じ結果にならなかった場合も解決は出来ます。ですが、それは経験者だからです。
入門講座と書いてあるのにこの本の解説だとBlenderに苦手意識を持ちかねない作りだと感じました。
私のように久しぶりにBlenderで何か作ろう、操作方法を思い出すのに良い解説本ないかなぁ、という人には『今日からはじめる Blender 3入門講座』はおすすめできます。
一通りの操作方法を思い出せますし、課題をこなすうちに以前Blenderをいじっていた時の記憶を呼び起こすことが出来るでしょう。
ただ、チャプター2からはじまる「モデリングをしてみよう」で制作する課題が、絶望的に魅力が無い。

作る意味の分からないかわいくもないアザラシ的な物質に、ワイングラス、そして時間ばかりかかって達成感のないチェスボード。
どれも、作った後になんの感動もないつまらない題材だなと思いました。初心者がこれらを作っても、なんにも面白さを感じ無いのではないかなと思います。
特にチェスの駒を一つづつ作る部分は操作方法を身に着けるには良いかもしれませんが、時間ばかり食ってしまうわりに達成感がまるでありません。
用意されている写真に沿って伸ばしたり、広げたりしているだけなので何かを作り出している感覚がわかないのです。
モディファイアーやマテリアル設定、UVマッピングやテクスチャペイント、アニメーションの設定など一通りの操作をあつかっているので、操作方法を思い出す分にはまんべんなく操作方法をあつかっていて良いと思います。
ただやはり、分かっている人にとっては復習になっていいという感じの作りで、初心者にはちょっと厳しいと感じます。
解説のとおりに操作しても、同じ結果にならない箇所がちらほらあるからです。
『今日からはじめる Blender 3入門講座』は全部で360ページほどある大ボリュームな本です。
約半分の180ページがBlenderの基本操作の解説に使われています。この前半部分はBlenderから離れてしまって操作方法を忘れてしまった思い出したい、という場合にとても役立つ部分だと言えます。
ですが、この本の後半部分は蛇足だなと感じました。初心者には難しすぎますし、解説が端折りすぎてわからない。
チャプター6の「実践編 キャラクターをつくろう」の部分は、別の本でもっとしっかり解説をつけてあつかったほうがいいと思いました。
初心者がこの本の解説でキャラクターモデルを完成させたのであれば、最初からテキストが必要ない人だと断言できるでしょう。
初心者がBlenderでキャラクターモデリングがしたいならば、他の本を参考にすることをおすすめします。
『今日からはじめる Blender 3入門講座』は後半のキャラクターモデリングの章を削って、マテリアルノードの解説とか、もっと面白い課題の作成に変えたほうがいい本になるかと思います。
はっきり言って、この本の後半部分は本当にダメです。
チャプター6のキャラクターモデリング中の一文で「本書の画像の中でも解説ではその部分に触れていなかったのにいつの間にか形が変わっている……といった部分が出てきてしまいますがご了承ください。」と言及されていて、入門講座でそれはダメだろとツッコみをいれたくなりました。
しかも、そのページのキャラクターの顔にはいつの間にか「眉毛」が付け足されています。
それと、あまり作っているキャラクターが、かわいく感じないのでモチベーションが上がりにくい。
マテリアルノードの解説もあまり丁寧とはいえないので、入門講座と言うには厳しいかな。
『今日からはじめる Blender 3入門講座』という本は、もう少し分からない人に寄り添う姿勢をみせてほしいテキストでした。
Blenderの操作方法をまんべんなくあつかっている点には一定の評価が出来ますが、解説が初心者向けではありません。
入門書を書く人には、自分も初心者だった頃を思い出してテキストを作って欲しいと感じる一冊でした。
『今日からはじめる Blender 3入門講座』の感想まとめ

『今日からはじめる Blender 3入門講座』という本は、Blenderから一度離れた人が操作方法を思い出すにはおすすめできる本だといえます。
まったくの初心者でこれからBlenderをはじめたい、という人にはおすすめしたくない1冊ともいえます。
初心者の人がBlenderをはじめたいのであれば、もう少し丁寧な解説で分からない人に寄り添った感じのテキストを選ぶといいでしょう。
操作方法を理解するために作る課題も大事です。作った後に何の達成感もない場合は面白くなくて続かないと思います。
初心者が最初に手に取るテキストとしては『今日からはじめる Blender 3入門講座』はおすすめできない、そう感じる書籍でした。


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