『黄金の経験値』は小説家になろうで連載されていた作品で、作者は原純。
なろう版は2021年ごろに完結しているようです。今でも全話読めるはず。
『黄金の経験値』はカドカワBOOKSにて書籍版が発売されており、漫画版もあります。
書籍版、漫画版ともに絵柄が良く、主人公のビジュアル、キャラクターデザインがすごく魅力的に描かれています。
獣人娘など、他のキャラクターたちも女の子キャラはとても可愛らしく魅力的です。
『黄金の経験値』の書籍版1巻では、ソロプレイヤーとしてNPCのふりをして魔王プレイをしていくような物語の展開でわくわくさせてくれます。
どうやって周りにプレイヤーだとバレないように行動して、魔王というNPCとして活動していくのだろうかと期待させてくれました。
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ただ、書籍版2巻あたりから期待していたような物語の展開と離れてしまい、正直言って買って失敗したかもと思うようになりました。
Amazonの書籍レビューにも書かれていますが、2巻以降はご都合主義展開がかなり目立つので気になる人にとっては読み進めるのが苦痛となるでしょう。
主人公側の能力開発・強化の場面が長ったらしいうえに、都合がよすぎる。知識を持つNPCが出現したり、スキル開発のための偶然の発見をしたり、どんどん主人公陣営が強化されていきます。
『黄金の経験値』は5巻まで読み進めてきましたが、私にはあわなかったなというのがこの作品の感想です。
物語の進みよりも、スキルや能力の開発の場面が長くておもしろくありません。
物語が展開し始めてキャラクターたちが独自に考えて行動しているぶんには面白く読めるので、書籍版が完結したら全巻読んでみようかなと思います。
初めて『黄金の経験値』という作品に触れるのであれば、原作よりも漫画版がおすすめです。
漫画版は展開がはやく、スキル開発の話が短いので読みやすい。作画もレベルが高いのでコミカライズは成功だと言えるでしょう。
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『黄金の経験値』どんな作品?

あらゆるものごとがVRと切り離せないようになった近未来。
最新技術を駆使して開発されたVRゲーム「Boot hour,shoot curse」を舞台にした作品。
フルダイブ型のゲーム世界で好き勝手に暴れまわる女主人公の物語です。
ゲーム世界を舞台にしているため、緊張感はありません。デスペナルティもそれほどきつい設定ではなく、やられても数時間後にリスポーンできる世界観。
このゲーム世界では「プレイヤーとNPC(ノンプレイヤーキャラクター)の違いはシステムメッセージを受け取れるかどうか」「NPCとモンスターにシステム的な違いはない」という設定があります。
最初こそNPCにも人生があり、いままでの境遇や信仰、所属する組織、国などがあって、ゲームの中の世界でプレイヤーと同じように生きている、という描写がされていました。
ただ、主人公たちが使う「使役」というスキルによって上記の設定があまり意味をなさなくなります。
「使役」というスキルで簡単にNPCを洗脳したような状態にできるので、NPCがどんな人生歩んでいようが、どんな信仰を持っていようが、どんな組織に所属していようが関係がありません。
NPCにいままでの人生という背景があっても、主人公たちに「使役」されてしまえば容易に手駒になってしまうのです。
これのせいでNPCという存在が薄っぺらいものになってしまっていると感じます。
しかも「使役」されたNPCは「使役」を使った側が生きているかぎり死んでもリスポーンできます。
プレイヤーは死んでも一定時間でリスポーンできるので「使役」している味方のNPCは死んでも生き返ることが出来ます。なのでNPCが死んでしまっても緊張感も喪失感もいっさいありません。
さらに「使役」したNPCの意識をのっとって主人公が操作できるので、ますますNPCの個性とかが薄くなっていきます。
作者にとっては物語を進めるのに「使役」というスキルが便利なのはわかりますが、物語の中で多用しすぎです。
ことあるごとに「使役」を使うので、どうせまた「使役」するんでしょ?と予想ができてしまいます。
書籍のレビューでご都合主義だと言われてしまう一端が、この便利スキル「使役」の存在にあると言えるでしょう。
イベントボスを弱らせてから「使役」を使った場面はさすがに「また使役かよ」とうんざりしました。
さすがにイベントボスには「使役」は無効だったのでよかった。
「使役」というスキルにもう少しデメリットや使用制限があればご都合展開も少しは薄れるのですが、主人公側にとってデメリットが皆無に等しい。
作者が物語を進めるのに便利な人物やシステムには、多少なりともデメリットを付与したほうがいいなと、この作品を通して思い知らされました。
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ラノベ版『黄金の経験値』の感想・評価

『黄金の経験値』の主人公「レア」はデザインがすごくいいキャラクターです。
特定災害生物「魔王」になった時、背中に白い羽、頭に悪魔のような角が生え、さらにその後パワーアップすると背中の白い羽が6枚に増える。
主人公のキャラクターデザインはグッド。
主人公の見た目はかなりいいのですが、性格も行動もイマイチ魅力に欠ける部分があるといった印象。
物語の中で同じような行動を何度もくりかえしますし、いろいろ考えているようでいて最終的に詰めが甘くて脳筋プレイみたいになる。
それと作品を通して感じる「ご都合展開」の連続に辟易させれらます。ふつうに読み進めていてちょっと都合よすぎるでしょ、という箇所が多すぎて気になってしまうのです。
1巻の終わりと2巻の途中までは面白く読めるのですが、主人公がプレイヤーとNPCの連合に敗北したあたりから雲行きが変わっていきます。
他のプレイヤーたちに敗北した主人公が、パワーアップして仕返しに行く場面はとてもよかった。
魔王を倒せたと受かれている人々のところに、背中の羽が6枚となって明らかにパワーアップした魔王が登場する絶望的な場面はワクワクさせてくれました。
これから、ソロプレイヤーとして魔王というNPCのふりをしながら世界を蹂躙していくのだろうなと思っていたのですが、そうではありませんでした。
人見知り気味で友達の少ない主人公ですが、魔族プレイヤーのお友達がすぐにできてしまいます。
名前は「ブラン」明るくてちょっとおバカなムードメーカー。
このキャラクターの登場により、主人公はソロプレイヤーではなくなり、NPC魔王のふりプレイも人間側だけにそうふるまうだけになっていきます。
さらに、唐突に語られる主人公と家族の確執もとくにひっぱられることも無く、初対面でフレンドになった「ブラン」によって解消されます。
主人公と見た目瓜二つな姉と仲たがい気味だったというのに、ゲームの中で再会したあげくに「ブラン」のおかげで仲直りできて、ゲームプレイの仲間になります。
しかもその姉、プレイヤーなのに人間側の権力者になっているため主人公が知ることの出来なかった人間側の情報がたやすく手に入るようなるのでした。
さらに2巻以降、ブランは世界の歴史や秘密を知る重要人物らしきNPCとのつてがあったので、主人公はそのNPCから世界の秘密を聞くことができました。
ブランのおかげでお姉さんとは仲直りできて、重要なポジションの魔族NPCと顔合わせができて、さらに眷属のパワーアップ方法までもたらしてくれる。さすがにちょっとね……。
2巻の半分あたりから怒涛のご都合展開で、読んでいる最中に都合よすぎるよ、と脱力してしまいました。
1巻のときはかなり面白い展開になりそうだったのに、2巻目の半分からは完全に裏切られた感覚でした。
主人公の姉は「ライラ」という名前で、性格も見た目も主人公と似ている。見た目に関しては主人公が白色で姉のライラは黒色。まるで2Pカラーのような姿です。
独力で人間国家の領主にまでなっており、こちらも主人公と同じくNPCのふりをしてプレイしています。
妹のレアとゲーム内で出会った当初は、ギクシャクしていましたがブランのおかげですんなりと仲直りしてしまいます。
しかも仲たがいの内容が割としょうもない内容。もっと深い理由があるのかと思わせておいてそうでもなかったので肩透かしをくらいました。
姉妹が仲直りしてからは、人間社会の情報も手に入るし、ブランのおかげで眷属のパワーアップ方法がわかってどんどん主人公陣営の戦力が整っていきます。

ブランの何気ない話で眷属を強くする方法を知った二人の驚いた顔、ご都合展開が続きすぎて憎らしくもバカらしくも感じました。
『黄金の経験値』という作品は「使役」という超便利スキルをもう少し制限をかけるなり、どうにかすれば面白く読めるようになる作品だと思います。
物語の展開のほぼ全てに「使役」が絡んでいて、スキルをパワーアップするのに必要な知識を持つNPCが登場したら「使役」で屈服させて勢力拡大。
人間国家の情報を得たくなったら、ちょうどいいポジションにいる人間を「使役」して情報ゲット。
この「使役」を駆使しすぎる部分がご都合展開として鼻につく原因でしょう。
「使役」を使わずに交渉したり、取引したり、NPCをもっとゲーム世界で生きている存在として描いてくれていればよかったなと思います。
そうすれば、ゲーム世界の設定「プレイヤーとNPCの違いはシステムメッセージを受け取れるかどうか」「NPCとモンスターにシステム的な違いはない」を生かすことが出来るのにと感じました。
他の魔族プレイヤーと手を組みだす5巻の最後あたりは面白くなってきているので、これから先のストーリーは面白い展開になるかもしれません。
主軸となる物語が進む分には面白いので、ご都合主義な展開に目をつむることが出来るなら楽しめる作品でしょう。
私も完結したら全部通して読みたいと思っています。
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漫画版『黄金の経験値』の感想・評価

漫画の作画は霜月汐というかたで、画力が高くて構成も読みやすくて良い。
キャラクターが表情豊かで動きもいいので読んでいて面白かった。ただ、原作では文章ゆえに気にならなかった「ナース服を着たおっさん」と「全身タイツの忍者っぽいおっさん」という変態たちは、絵で表現されるとキツイなと感じました。
原作よりも展開が速いので、原作では冗長で退屈なスキル開発部分があっさりしているので漫画のほうが面白いかもしれません。
漫画だけを読んでいる場合はよく理解できない箇所がいくつかあるかもしれません。漫画の続きが読みたい場合は原作を読むといいのでしょう。
私は漫画版の続きが読みたくて原作を購入したのですが、ちょっと失敗でした。
上記のラノベ版の感想のようにご都合展開が目に付きすぎる。そこを気にしなければ楽しめると思います。
漫画版だけ読んでいたら特に不満もなく楽しめたかもしれません。
漫画版『黄金の経験値』は、展開は少し早めですが面白いです。気になっった場合は漫画版から読み始めるといいでしょう。
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『黄金の経験値』の感想・評価まとめ

とにかくこの作品『黄金の経験値』は「使役」を多用しすぎている。
これがご都合主義展開といわれる原因だと思います。
つらつらと不満を書いてしまいましたが、ご都合主義的な部分に眼をつむれば面白くなりそうなストーリーではあります。
主人公の配下のNPC達は魅力的なキャラクターたちなのですが、主人公と対等の関係であるプレイヤー「ライラ」と「ブラン」がイマイチ魅力にかける。
配下のNPCや他のプライヤーキャラたちとのやりとりが増えていけば面白くなりそうだと感じます。
私は5巻まで読んでちょっとあわないかもと思ったので、完結してから読もうかな。
原作の挿絵は美しくてグッド、漫画版も絵が綺麗で絵師に恵まれている作品です。
初めてこの作品に触れるなら漫画版のほうをおすすめしたい。
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