『Blender 3Dアバター メイキング・テクニック』は、Blender の基本操作を理解してキャラクターモデリングをはじめて挑戦したい人におすすめの一冊です。
著者は数々のBlender 関連本を執筆しているBenjamin(BENJAMIN)さん。
Blender 初心者がはじめてお世話になるテキストとして最適な本を何冊も出してくれている著者です。
ただ、『Blender 3Dアバター メイキング・テクニック』は完全な初心者向けの本ではありません。
Blender である程度ひとりでモデリングできるようになった人が、はじめてキャラクターモデリングに挑戦して、それをVRMモデルとして出力できるところまで持っていく。そんな本です。
この本も他のBlender のテキスト同様、WindowsとMacのショートカットの違いにはあまり言及していないので注意が必要となっています。
最後のほうに掲載されている「主に使用するショートカットキー」の部分にMacの場合のキーの読み替えが書かれているだけです。
『Blender 3Dアバター メイキング・テクニック』はWindows版のBlender に対応した書籍といえるでしょう。
Blender 初心者への注意点
- Windows版とMac版でショートカットボタンが違う
- Blenderのバージョンは使うテキストにあわせる
Blenderはモデリングをするのにショートカットキーを多用します。Windows版とMac版では少しショートカットキーが異なり、初心者は混乱してしまうので注意が必要です。
BlenderのテキストはWindows版のショートカットキーしかのせていない場合があるのでテキスト選びには注意するか、事前にショートカットキーを学んでおく必要があるでしょう。
Blenderはバージョンによって操作方法やボタン配置などが変わっている場合があって、テキスト通りにやりたくてもバージョンが違うと同じようにできない場合が出てきます。
『Blender 3Dアバター メイキング・テクニック』は Blender 3.x対応なのでBlender 4.2などでテキストを進めると透明(アルファ)の設定方法が変わっているのでよくわからない結果になってしまいます。私は下のような状態になりました。

VRMモデルを出力する際に、アルファの設定のせいでアバターがおかしくなるので注意が必要。
『Blender 3Dアバター メイキング・テクニック』の感想・評価

『Blender 3Dアバター メイキング・テクニック』はキャラクターモデリングをやって、VRMモデルを出力するまでサポートしてくれるので初心者にはありがたい一冊です。
ただ、まったくの初心者がこの本から始めるのはおすすめできません。なぜなら、操作方法の説明がある程度分かっている人にむけた簡単なものだからです。
なぜその操作をするのか、そういったことを深く説明していないので初心者には疑問が残る部分がありますが、説明通りに各章を進めていけばキャラクターモデルがしっかり完成します。
テクスチャのベイク方法や、シャイプキーを使った表情の作り方、アーマチュアを設定して各部を動かすリギング、そして3teneをつかったVRMモデルの活用といったことが学べるのではじめてキャラクターモデルをするには最適な一冊だと言えます。
ただ、この本でかわいいキャラクターモデルを作るにはテクスチャ部分を上手く描けないといけません。
マウスを使ってキャラクターの目や髪の毛の影、服の装飾を描いていかないといけないので初心者では上手くかわいい感じにできません。
キャラクターモデリングをかわいく完成させるにはテクスチャの存在が大事なんだなと理解させてくれる本だともいえるでしょう。
テクスチャに服の影などを描く部分はかなり説明を省いていて、完成したテクスチャの画像を1ページにまとめて掲載しているだけで、読者はそれを見てがんばれ、みたいな作りになっていました。
そのあたりは完成度に直結するところですが、説明が難しい感覚的な部分なので「まぁ、しょうがないかな」と感じる部分。
UVマッピングの方法など丁寧に解説してくれているので、読者がつまるところは少ないと思います。
この本でつまづくとしたら、私のようにBlender 4.2を使って作業を続けた場合でしょう。
PART4 テクスチャ&マテリアルの章にてマテリアル設定で「MToon_universioned」を使う場面が出てきます。
Blender 4.2では「透過」ノードの考え方が変わっているようなのでテキストどおりに進めて3teneに出力すると化け物が出来上がります。下のこれです。

私もよくわかっていませんが、MToonの「TransparentWithZWrite」の数値をいじってからVRMモデルを出力するとなんとかなります。
テキストどおりにやっているのになぜこうなるんだ?読み間違いがあるのか?とめちゃめちゃ悩みましたが、Blenderのバージョン違いによるものでした。
『Blender 3Dアバター メイキング・テクニック』のネット上でDLできる完成モデルもBlender 4.2に持って行って出力すると目玉が飛び出たバケモノになるので、どこかの設定がおかしいのだと気づいて何とか修正できました。

私のようになってしまった人はMToonの「TransparentWithZWrite」の数値を変更して出力してみると何とかなると思います。

『Blender 3Dアバター メイキング・テクニック』は、いろいろと知らないことを学ばせてくれる良書でした。
複数枚のテクスチャを1枚にまとめるベイクの方法やVRM形式の人型アーマチュアの使用方法、衝突判定(コライダー)の設定など、一冊を最後までやることで様々な知識を得ることが出来ました。
ただこの本は、3teneへのVRMモデルの出力やClusterというコミュニケーションツールへのキャラクター出力がゴールなので、Blenderでのレンダリングやアニメーションの作成などには触れていません。
Blenderを使って静止画や動画を作りたい場合は他の本での学びが必要となるでしょう。
Blenderの基本操作を理解していて、ある程度のモデリングを経験した人がキャラクターモデルをやってみるかな、と思ったときにBenjamin氏の『Blender 3Dアバター メイキング・テクニック』はおすすめできる書籍だと思いました。
Blenderのバージョンが違うとつまづいてしまう地点があるので、そこには注意が必要です。
『Blender 3Dアバター メイキング・テクニック』まとめ

3teneでVRMモデルを読み込んだ時、バケモノが現れてしまいどうしようかと思いましたが、なんとか最後までやりきれました。
表紙の女の子のモデリングについてかわいくないと感じる人もいるでしょうが、初心者を振り落とさないためのローポリに近いモデルなのでしかたがありません。
テクスチャをどれほど上手く描かないと表紙のレベルの女の子が作れないのかが、この一冊をやりきるとわかることでしょう。
もっとかわいいキャラクターを作りたいのであれば、この書籍を終えてから別のキャラクターモデルの書籍に挑戦するといいかと思います。
『Blender 3Dアバター メイキング・テクニック』のキャラクターモデルは顔の作りが単調ですし、目玉や髪の毛に動きをつけていないので物足りなさもあるでしょう。
この一冊をやり切ったなら、初心者の中でもある程度Blenderの操作を理解した状態だと言えるはずです。
さらに難しいモデリング本や自分が好きだと思うアニメや漫画のキャラクターを3Dモデルにしてみるなどに挑戦してみましょう。
私も、もっとかわいいキャラクターが作れるようになりたい。一緒にBlenderを楽しんでみませんか?


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